時を経て実現、母屋と事務所とガレージのトータルプロデュース
今から約8年前のことです。
当社のホームページをご覧になったという
ある奥様からお問い合わせをいただきました。
お問い合わせの内容は
このスペースを住居として使用する場合、
どのような間取りで費用はどのくらいかかるのか、
というものでした。
お返事をすると、奥様は
返答が早く、やりとりの受け答えが良かった
と気に入ってくださり、
一度お会いしてお話をする運びとなりました。
何度か打ち合わせをしていくうちに
ご主人のお父様が建てられたという
広くて古い屋敷があるが
リフォームか建て替えか、どちらがよいか？
というご相談を受けました
様々な事情を考慮した結果建て替えがよいでしょう
とアドバイスをさせていただきました
そうして最初のご相談とは別に
建て替えのお手伝いをさせていただくことになり
めでたく母屋が完成しました
個人宅ですので
詳細はお伝えできませんが、
ご夫妻は
理想の家のイメージをしっかりお持ちでしたので
細部に渡ってご希望に沿った仕様を実現できました
ありがたいことに
「嫌なところが一つもない」
と建築から約8年の年月を経た今でも
とても気に入ってくださっています
さて、
過去にそんなことがあっての今、
奥様とご主人はご夫婦で自営をしていらっしゃるのですが
その母屋の隣に事務所とガレージを建てたいということで
ご依頼をいただきました
お話をいただいたのは2019年
打ち合わせを重ね、
着工したのが2020年の２月
完成したのが同年８月です
事務所の内装には
奥様のご希望を取り入れながら
こちらからもアイデアをお出しして
いくつか工夫を施しました
例えば、
自然光を取り入れること
デスクのスペースをより広く取ること
事務所の端の小スペースを
書類棚として
最大限活用できるようにすること
また、たくさんのお仲間が遊びにいらっしゃるので
みんなで集まって飲食などを楽しめる場所と
仕事をするデスクのあるスペースを
必要に応じて完全に隔てることのできる
可動式の仕切りをつけること
などなど…
屋根と壁の間に自然光を取り入れて明るく柔らかい感じに。
夜に外から見ると、昼間とは反対に室内のライトの光が外に漏れ出てライトアップされたような美しさを演出する
写真右側に広くて長いゆとりあるデスク、中央奥に収納スペースの棚の一部、中央左寄りに可動式の三枚の仕切りが見える
ご主人のご希望で暖炉も設置
また、ガレージの床は
ご主人のご希望で明るいけれど落ち着きのある赤系に。
所ジョージさんの冠番組『世田谷ベース』のようにしたい
ということでした
というのも、
なんと、ご主人は
1963年のコルベットスティングレーと
1953年および1959年のハーレーダビッドソン
をお持ちなのです！
大事なそれらを
安全におけるガレージは必要ですよね！
私も若い頃はバイク乗りでしたので
お気持ち、多少は分かります（笑）
さて、ポイントは
そのガレージと事務所をつなげて
その間の仕切りを全面ガラスにしたことです
つまり、事務所からガレージが丸見えということです
ご主人にとって
大好きで大事な車とバイクがいつも眺められるという
理想的な環境になりました
事務所とガレージの間をガラスの戸で仕切る。
ガレージの赤い床がさりげなく主張。ここにコルベットスティングレーとハーレーダビッドソンが並ぶ
ガレージから見える事務所の一部。このスペースに仲間が集う
家と事務所とガレージ。
全てお客様の所有敷地内で
全体に統一感のある洗練された建物群に仕上がりました
建物に対するご夫妻のご希望がはっきりしていたので
使い勝手の良い明るくて品のある空間が出来上がったと思います
嬉しいことに
完成した事務所も
「嫌なところが一つもない」と言って
大変喜んでくださっています
洗練された落ち着きのある雰囲気の事務所外観。ガレージの茶色のシャッターが下りている
ところで、実は
周りは畑や田んぼが広がり
牛舎では牛たちがのんびり草を食むという
長閑な雰囲気です
そのような開放的でゆったりとした環境の中に
スマートな建築物が
しっくりと溶け込んで存在しているという感じでしょうか
環境と建物の空気感にバランスをとる
そんなところにも
建築の醍醐味があります
けれども何よりも
お客様のご希望に沿ったものができ、
完成したものを気に入って喜んでいただけることは
この上ない喜びです
この仕事をしていて嬉しいことのひとつは、
ちょっと大げさですが
お客様の人生や心を豊かにする環境作りのお手伝いができるということですね
お客様のご希望に沿ったものが完成し、
喜んでいらっしゃるお顔を拝見すると私も嬉しく、心が暖かくなります
この仕事、やり続けてきて良かったなあ（笑）